To Zanarkand
2023年12月30日(土)
大学受験生たちの前で
「ピアノの発表会」
をしました。
話の始まりは、
2023年5月1日(月)
10時間チャレンジとして
ピアノを弾き続けました。
選んだ曲は、
「To Zanarkand」(ザナルカンドにて)
PS2で2001年7月19日に発売された
FF10のオープニングテーマ曲です。
余談ですが大学生になって一人暮らしを始めた僕は、
一人暮らしを始めた初日に、
「何かあったら使いなさい」
と母がもたせてくれた5万円を握りしめ、
PS2とFF10を買いに行き、
新入生オリエンテーションもすっぽかして、
ずっとプレイをしていたゲームです。
#おかげで大学デビューに失敗した・・・
今年3月に観に行った
「FF10歌舞伎」でも流れていました。
楽器が弾ける人に小さい頃から憧れを頂いていました。
母子家庭で育った僕は、
「家もあまり広くないし負担をかけるのもなぁ~」
と思いながら、楽器に触れるということはせず・・・
しかし昨年、6月に北陸旅行にいったときに、
富山県で見た街角ピアノを見て、ふっと思います。
「ピアノ弾けるようになりてぇ・・・」と。
そこで思います。
「10時間チャレンジで練習したらそこそこ弾けるようになるだろう」と。
10時間練習した結果はどうなったか・・・
どうぞお聞きください。
(誰もいない所で一人で聞くのを推奨します)
大事なことなのでもう一度言います。
10時間練習した結果がこれです。
#無知とは恐ろしい
10時間練習して全然上手く弾くことも出来ず・・・
どう思ったか・・・
嫌になったのか・・・
もう二度とピアノなどやるまいと思ったのか・・・
全然そんなこともなく(笑)
むしろめっちゃ楽しいと思いました\(^o^)/
だって指を動かしたら、
全然聞いたことがない音が出るんだもん!
でも極々稀に、
「あ!これが弾きたかった音!!」
というのが出るんだもん!!
そこから5~6月はAUに通ってピアノを弾き、
7月には生徒のご家庭から電子ピアノを譲っていただき、
(水害の被害にあったけどピアノは無事だった!!)
8か月で約100時間練習に費やしました。
そしてその結果がこちらです。
5月1日の演奏(と呼べるかはわからないけど笑)と同じ部分です。
まぁまぁまぁ!!なんとか聴ける!!(はず)
なんとかそれっぽい曲が弾けるようにはなった気がします。
調子乗って今日うちの塾の大学受験生全員集めて、
発表会をしたら、大成功!!
ではなかったけど・・・(笑)
楽しんでもらえたなら何よりです!
さて、なぜこの「To Zanarkand」という曲なのか。
それはこのゲームから僕が受け取ったメッセージが、
僕が塾生に伝えたいメッセージそのものだからです。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、
このゲームでは主人公一同が、
「ザナルカンド」という場所を目指します。
この曲はゲームのオープニングと、
物語が7割くらい進行して、
「ザナルカンド」に到着したときに流れます。
(ちなみに僕はこの表現技法がとても好きです)
「ザナルカンド」は旅の目的地だったのですが、
主人公一同は本来の目的に反した行動をそこでします。
それは「ザナルカンド」が思っていたような場所ではなかったからです。
うちの塾に通っている方々は、
「大学受験の第1志望合格」という目標を持ってきます。
それが叶う人もいれば、叶わない人もいます。
でもどちらにしても、必ず思うことがあります。
それは「思っていたのと違う」です。
第1志望に合格出来なかった人は、その時点で理想は崩れます。
第1志望に合格した人でも、バラ色の人生なんて待っていません。
(そんなに学歴は万能ではないし価値はないです)
目的地であったはずの「ザナルカンド」に辿り着いても、
主人公達が自ら考えて行動して旅がまだ続いたように、
目的である「第1志望」に辿り着いても辿り着かなくても、
人生はまだまだ全然続きます。
続くからこそ、今出来る限りのことをやってください。
次の4通りの選択肢と結果が待っています。
(A)やるべきことをやって合格した
(B)やるべきことをやらずに合格した
(C)やるべきことをやって不合格だった
(D)やるべきことをやらずに不合格だった
(A)の方は素晴らしいですね。
その調子で人生頑張ってください。
(B)の方にとって受験はあまり価値がなかったですね。
特に何も得るものはなかったのではないでしょうか。
(僕の受験がそうであったように笑)
(C)の方は、なぜ不合格だったのかを分析出来れば、
今後の人生にめちゃくちゃ有益だと思います。
才能/時間/運 何が足りなかったのかを考えましょう。
(D)の方に言うことは特にはないです。
大学受験が今後の人生に役に立つとしたら、
(C)≧(A)>(B)>>>>>>(D)
という感じだと思います。
FF10の主人公達が絶望的な状況でも、
自分たちの置かれた状況に悲観せず、
活路を見出したように、
少なくともその時々で、
やるべきことをやれる人間であって欲しいな
という気持ちを込めて、
「To Zanarkand」を弾かせてもらいました。
#気持ちと演奏技術に相関関係はない
先程も言いましたが、
「100時間」
僕が今年1年ピアノ練習に費やした時間です。
週6で12時間仕事して
週1で角館に行って祖母の様子を見て
名古屋/東京/山梨/盛岡/北海道/関西/仙台/鶴岡/青森/福岡
に行って、36校の大学を1年間で見学して
合間の時間でモンハンのレベルを120まで上げながら
なんとか捻出した、100時間です。
#ちなみに長編のRPGを2つクリアもしている・・・
100時間やっても理想通りにはなりません。
自分の思う半分も出来ないかもしれません。
でもまったくのピアノ初心者が、
「なんとかなくそれっぽい感じにはなる」
程度には、成長することが出来る時間です。
大学受験生は、共通テストまで残り13日です。
1日8時間勉強すれば、それで100時間です。
非受験生にとっては、
来年1年間の僕との授業時間がおよそ100時間です。
(1コマ2時間 × 月4回 × 12ヶ月 で計算)
この時間をどう過ごすかは自分次第です。
100時間をFF10に費やす人がいたら、
100時間後、全力で語りあいましょう。
100時間を死に物狂いで頑張る人がいたら、
僕が死なない程度には、応援しましょう。
どちらが良いという気持ちはないです。
100時間全力でFF10をプレイした経験が、
20年以上経過して役に立ってる人間が、
ここにいるので。
#人生は何が役に立つかわからない
ただ100時間全力で何かに取り組んだ経験や記憶は、
その後の人生を(多少は)彩る気がします。
FF10をプレイした記憶や、
ピアノを練習した経験が、
そうであったように。
もう23時55分なので、
更新ボタンを押して帰ります。
今年一年ありがとうございました。
来年が皆さまにとって良い年となりますように。
ザナルカンドの先で見る景色が、
素晴らしいものでありますように。