大阪万博まとめ
2005年夏の夜
大学生だった僕は友達二人とともに、
何をするでもなく僕の部屋で過ごしていた。
誰も見ていないテレビから流れる、
Mr.Childrenの「タガタメ」
その曲の強さに注意を惹きつけられる。
その曲は当時、開催中だった
「2005万博 愛・地球博」
の赤十字のパビリオンのテーマソングだった。
「ここに行きたい」と強く想った。
当時千葉に住んでいた僕は、
「明日ここに行こう」
と二人を誘う。
そのうちの一人が言う。
「でも金ある?」
答えは全員一致だ。
「ない」
大学生の僕達はとてもお金がなかった。
この日も居酒屋に行くお金がないので、
僕の部屋に集まって自炊して、
安酒を飲んでいたのだ。
千葉から愛知までの交通費が往復で、
一人¥10,000
入場チケットが一人¥5,000(くらいだった気が?)
食事代を合わせると、一人¥20,000あれば十分だ。
しかしこのときの僕達3人の全財産(手持ちではない笑)は、
合計して¥18,000だった。
チケット代は払える。
お昼ご飯もなんとか。
でもそれ以外が払えない。
そこで僕達は考えた・・・
千葉大学・工学部3人が集まって出した答えは、
「ヒッチハイクしたらタダじゃね?」だ。
(我ながら名案である)
翌朝、愛知県万博会場に向けて、
3人でヒッチハイクを開始する。
全然車が止まってくれない・・・
なぜか?ヒッチハイクの問題点と対策を考える。
問題点は主に2つある。
①段ボールに目的地を書いて、
ヒッチハイクをしても、
車の速度で認識しにくい・・・
②そもそも努力をせずに、
楽に目的地に辿り着こうとする、
その精神がムカつく。
そこでこの2つの問題点を解決する、
画期的な方法を我々は編み出した!
それは目的地の方向に向けて、
一人一人が異なるメッセージを書いた、
段ボールを掲げながら、
3人で隊列を組んで走る
というものだ。
A「愛知に向けて走っています」
B「しかし着きそうにもありません」
C「途中まででいいので乗せてください」
こうすることで相対速度を利用して認識しやすいようにしてもらい、
(さすが理系の大学生だ!物理受験は伊達じゃない!)
尚且つ努力も見せることが出来る!!一石二鳥だ!
これをするとわりとすぐにちらほら話しを聞いてくれる人が現れ、
コンビニ前で飲み物をご馳走してもらったり、
なんか応援してもらったり、
30分くらいで静岡行きの車に乗せてもらい、
そこから別の静岡→愛知に行く人を見つけ、
車内で話しが盛り上がって、
「万博会場まで乗せてやるよ!」
と言ってくれた、名前も思い出せない高級車の方!
僕は今日も頑張って生きてます!!
ちなみにこの人にはお昼ご飯もご馳走になった!
本当にありがとうございました。
というわけで、¥0で万博会場に辿り着き、
くちびるを噛みながらチケット代を支払い、
赤十字のパビリオンに並んだ日のことを、
今でも鮮明に覚えている。
そこから20年が経過した2025年6月26日(木)
20年ぶりの万博に行くための朝を迎えた僕に、
絶望がお出迎えをしてくれた・・・
「あぁ~~~ヤバい・・・体調わるい・・・」
僕は体調不良になることはほぼない。
このときにも書いているが、
体調管理を徹底しているのだ。
ちなみに働き出して、
一度たりとも体調不良で仕事を休んだことがない。
そんな僕がよりにもよって、
楽しみにしていた万博に行く日に、
体調不良になるとは、
なんて運の悪い・・・
とは思わなかった(笑)
思い当たる節があるのだ。
まず前日の25日(水)に、
最後の授業を終えた瞬間、
なぞの達成感を感じてしまった。
「よっしゃー!6連休!!明日から万博!!」
というような・・・
言わば年度末的な感覚になってしまった。
(僕は年度末に受験が終了してから風邪をひくようにしている)
それだけならまだ大丈夫だった(はず)だろうに、
今回の旅行はフライトが、
13:50秋田空港発だったのだ。
普段は22:00まで仕事をして、
翌日4:00に起きて、
6:00発のこまちに乗ることが多いのだが、
そうすると気を抜く暇がないのだ。
神経を張り詰めたまま、
こまちに乗ることになるので、
体調不良になっている暇などない。
しかし今回は午後からの移動だったので、
前日の夜に明確に気が抜けた・・・
「病は気から」とはよく言ったものだ。
そんな絶望の朝を迎え、
なんとかベッドから起き上がり、
何か食べようとするも喉を通らない・・・
(正確には違うのだが綺麗な話ではないので割愛する)
感染症を疑い、体温を測るが正常の35.9℃
コロナ禍のときに買ってあったPCRの検査キットを使って、
コロナかどうか確かめるが表示されたのは「陰性」
(検査キットって消費期限あるのかなぁ?)
まず考えたのが「旅行どうしよう?」だ。
この時点で予約済みなのが、
秋田⇔伊丹空港の往復の航空券¥26,000
伊丹空港→万博会場のバス¥1,800
万博の夜間パス¥3,700
万博会場→広島行きの夜行バス¥4,500
広島でのサッカーJ1のチケット¥8,000
総額¥44,000だ。
(宿泊先はこの時点ではどこも予約をしていない笑)
これらが無駄になるが、
旅行先で倒れて人様に迷惑をかけるよりはマシだ。
行かないことを真剣に検討しつつ、
体調の回復をはかる・・・
午前中まったく何もせずに過ごして、
体調はほんの少しだけ回復する・・・
(バファリンありがとう)
「一応、空港には向かうか・・・」
と思って空港まで移動する。
ちなみにこの時点で12:30だ。
まぁまぁヤバい。
13:15秋田空港に到着する。
ややテンションが上がり、
「大阪まで行ってダメならホテルで寝ていよう」
という気持ちになる。
とりあえず飛行機に乗る。
13:50~15:15 空の旅
(プロペラ機はやはり苦手だ・・・)
伊丹空港に到着する。
手荷物を受け取るところで、
ミャクミャクが僕の荷物を持ってきてくれた。
ありがとうミャクミャク。
(初めてみたときに気持ち悪いと思ってごめんなさい)
空港から万博会場までのバスが15:30だったのだが、
朝から(ほぼ)何も食べていないので、
「このままだと会場で倒れるな?」
と思い空港で何かをお腹にいれることにする。
キュウイジュース美味い(*´ω`*)
ちょっと回復したような気がしたので、
16:10発の万博会場行きのバスに乗る。
17:00万博会場に到着する。
これは会場の入口前の光景だ。
まさに万博!!という光景に、
テンションが上がる。
まずはコインロッカーを探す。
見つけたのだが係員の人に、
「21:30で荷物は受け取れなくなります」
と言われ、パニックになる。
そもそも万博の終了時刻は22:00なのだ。
それでは万博を(フル)楽しめないではないか。
(この時点で楽しむ気でいる)
さらには広島行きの夜行バスが22:20発なのだ。
21:30に荷物を受け取って1時間何をしろと?
(この時点で広島に行く気でいる)
とは言え、僕に拒否権はないので、
泣く泣くコインロッカー代を支払う。
(¥1,500!!高い!!)
さぁいよいよ入場だ!!
度々入場ゲートの混雑が話題になる万博だが、
夜間パスの入場時刻が17:00から
(今は期間限定で16:00入れるらしいけど)
この時間は人もほとんどいなくとてもスムーズに入場出来た。
入場ゲート近くにお土産屋さんも見つけたので、
「帰りにまとめて買って帰るか~」と思い、
パビリオンのあるエリアに向かう。
その途中で現れたのが、
GUNDAM!!ガンダム!!
テンションがめちゃくちゃ上がる!!
体調不良なにそれ・・・?
(なんて単純な人間なんだ笑)
噂の大屋根リングだ!!
なんか色々言われているが、
めちゃくちゃ雰囲気あって、
良い感じの建造物だ!!
早く屋根の上に登りたい!!
そんな気持ちを抑えつつ、
目の前の入れそうなパビリオンに行ってみる。
セルビア!!
チリ!!
待ち時間も問題視されているが、
一部の人気パビリオンを除いて、
待ち時間なしで入れる場所も多く、
予約抽選に当たっていれば、
効率的にまわれると思う。
(ちなみに僕は抽選に軒並み外れた)
歩き回っているとお腹が空いたので、
本日一食目だ。
多国籍たこ焼きらしい。
美味しかった!!
お店はどこも高かったが、
まぁ商売だもの。文句を言う筋合いはない。
エネルギーが補給出来たので、
大屋根リングの上に行ってみる。
ちなみにエスカレーターで行けるので、
とても楽に登ることが出来る!
え・・・?めっちゃ良い。
ここを歩いているだけで楽しい。
パリビオンの外観を眺めているだけでも、
その国々の特徴がわかって、
それだけでも楽しい。
(抽選に外れた負け惜しみでは・・・ない・・・笑)
気になる建物がある場合は。
下に降りて覗いてみたり。
フランス豪華!!
ちなみに2時間待ちとかなので、
中には入れず・・・
(時間もないので並ばずに色々まわることを優先)
カタールは豪華なわりに、
15分待ちで入れたので、
行ってみる!!わりと良かった!!
ミャクミャクは外出中で会えず・・・
日が落ちてライトアップされた会場は、
とても幻想的だった。
そんな中で行われたドローンショーは、
とても綺麗で初めての感覚だった。
ちなみにこの2日後には、
大曲の花火が会場で上がったらしい。
きっと綺麗だったことだろう。
(めちゃくちゃ人が多かったらしいけど)
ドローンショーが終わった後に、
目の前にあったポルトガル館に入る。
いやぁ~本当に良かった。
各国が「我が国とは~」という主張をする中、
このポルトガル館では、
「海」をテーマに問題提起をしていて、
「これぞ万博!!」という感想だ。
ここに入って満足してしまった。
お腹が空いたような気もするし、
もう終わりが見えたことで、
体調がわるいような気もするし、
微妙な感じだったので、
色々な国の伝統料理にも興味はあったが、
胃に優しいものを食べることにする。
なんて映えない写真!!(笑)
ちなみにこれすら全部食べれず・・・
残してしまってすいません・・・
この時点で21:00くらいで、
ロッカーで荷物を受け取らないといけないので、
(わりと対角のところでご飯を食べている)
もとの場所に戻ろうと外を歩く・・・
ここで違和感に気付く・・・
ほぼ全てのパリビオンが閉まっている・・・
22:00終了は何のためなのだろうか?(笑)
ちょっとよくわからない・・・
15分ほどかけて最初に見つけた、
お土産屋さんが並ぶエリアに辿り着く。
ここで衝撃的な案内が・・・
「当エリアは21:00で閉店です。今から入場は出来ません」
22:00終了は・・・(以下略)
なんと!万博のお土産を購入出来ず・・・
ちょっと時間的なものは、
よくわからない万博であった。
今週になって新しい情報が入ってきて、
これからはオフィシャルストアが21:45まで
飲食店が21:30までやることになるらしい。
(1週間おそかったかなぁ~(#^ω^))
既に何回か行った方から
「2~3回は行かないと十分に楽しめないと思う」
というアドバイスをいただいていたのだが、
まさにその通りだと思う。
初回で十分な予習もせず行った僕が、
完璧に楽しめたか?と聞かれたら、
「う~ん」と答えざるを得ない。
「もう一度行くか?」と聞かれたら、
「時間があれば行ってみたいとは思う」
という曖昧な答えになってしまう。
「行って良かったか?人に薦めるか?」
と聞かれたら、
「もちろん!ぜひ行ってほしい!」
と即座に答える。
20年前の万博の記憶が今でも鮮明に残っているように、
今回の万博の思い出も僕の中に残り続けるだろう。
20年前も思ったが、
万博を開催出来る日本すごいな!
という気持ちにさせてくれる。
だって世界を代表して、
各国を集めたイベントを、
半年に渡って開催出来るんだもの。
このブログを読んで、
少しでも興味が湧いたのなら、
夏休みぜひ行ってみてほしい。
楽しいかどうかは知らない。
良い思い出になるかどうかも知らない。
ただそれでもきっと心に何かは残る。
万博とはそういうイベントだ。
万博会場を出て広島行きの夜行バスに、
乗るかどうか迷いながら、
そんなことを考えていた。
そうしたら、
「まぁこの状況で広島に行って得るものもあるだろう」
という気持ちなって、
予定通りバスに乗ることにした。
(決してお金がもったいないからでは・・・)
さぁ、それからの4日間どうなったのか・・・?
続きは、
7月10日(木)「広島&厳島神社」で。
朝7時半に広島駅に降り立った僕の状態は・・・?
お楽しみに!!
旅の4日目、5日目の様子は、
7月17日(木)「岡山倉敷姫路!」
でお送りします。
7月24日(木)「スタジアム問題」
について語ろうと思います。
7月はずっと今回の旅行について書く予定です!
さて20年前の万博会場からどうやって帰ったのか・・・
帰りは簡単だ。
万博会場の駐車場で、
「千葉」ナンバーの車近くで待機して、
事情を説明するだけだ。
数件の交渉の後に、
僕達の住む千葉市に送り届けてくれる、
習志野住みのご家庭を見つけることが出来た。
ありがとうございました。
夕飯まで食べさせてもらった。
ご馳走様でした。
今回のブログの教訓だ。
ヒッチハイクは「傾向の分析と対策が大事」ということだ。
何かの参考にしてくれると嬉しい。
それではまた次回。