スタジアム問題
今日は「スタジアム問題」というタイトルで、
秋田市に新スタジアムは必要か否か?
ということについて語ろうと思う。
結論から先に言うと、
「スタジアムは必要である」
という立場で話しをさせていただく。
ちなみに僕は政治的思想は持ち合わせておらず、
指示する政党もなければあまり興味もない。
政治家の皆様には他の職業の方々と同程度の敬意をもっているし、
「いやぁ~、色々言われて大変っすね。おつかれさまです」
くらいの感覚である。
「スタジアムは必要ない」
という主張に対して否定するつもりもないし、
政治家様という権力者に対して歯向かうほど、
愚かな人間ではないことを予め明記しておく。
(だから気に食わなくても叩かないでね)
1枚の写真を見て欲しい。
「なんだこれは?」と思ったことだろう(笑)
これは6月20日(金)19:50の写真である。
場所は秋田市八橋にある、
「ドリームフィールド」だ。
このドリームフィールドを囲むように、
1㌔のランニングコースがあり、
この日はそこを10周していた。
先程の写真はそのときに撮ったものであり、
ランニング途中に感動して撮ったものだ。
その日から約1週間後、
6月28日(土)17:00に、
広島市「EDION PEACE WING」
前で撮った写真がこれである。
このときに最後に行ったのが、
「EDION PEACE WING」だ。
このスタジアムは2024年に完成した、
約2万8千人収容可能なサッカー専用スタジアムだ。
このスタジアムが出来るまでには様々な経緯があり、
「立派なスタジアムはいらない!」という広島市と、
「優勝するからスタジアムを作らせて欲しい」という、
サンフレッチェ広島(広島に本拠地があるサッカークラブ)が、
対立したものの、2012年、13年と見事連覇し、
結果で黙らせてしまうという、
めちゃくちゃカッコ良いことをやってのけた、
サンフレッチェ広島である。
ちなみに当時の監督が現日本代表監督の「森保一」さんであり、
昨年の代表戦でこのスタジアムで試合があった際には、
感動のあまり試合前に泣いてしまうという一幕があった。
それだけ思い入れがあるスタジアムなのだ。
この日の僕は19:00試合開始にもかかわらず、
17:00には会場入りし、
スタジアムの周りを見学したり、
サンフレッチェ広島のファンでもないのに、
グッズを買ったりしていた(笑)
スタジアム周りの環境は最高で、
子供達が芝生で駆け回っていたり、
近くにある飲食店では、
サンフレッチェ広島のユニフォームを着た方々と、
名古屋グランパスのユニフォームを着た方々が、
(この日の対戦相手が名古屋グランパス)
酒を酌み交わしていた。
めちゃくちゃ良い光景だ。
ちなみにこの日のチケットは完売で当日券なし。
約2万8千席が全て売れている。
これはこの日に限ったことではなく、
昨年からずっと続く傾向らしく、
広島戦のチケットは今、
Jリーグで一番入手困難なチケットである。
おかげでサンフレッチェ広島の昨年の利益がエグイことになったらしいが、
元々堅実的な経営をしているはずなので、
変な使い方をしておかしくなるようなことはないだろうという、
なぞの安心感がこのクラブにはある。
スタジアムの中に入ってみよう。
最高だ。
どこの角度から眺めても美しい。
僕はブラジルでサッカーのW杯を観戦するくらい、
サッカー観戦をするのだが、
ヨーロッパにある「歴史ある」スタジアムを除けば、
世界トップクラスのスタジアムだと思う。
ブラジル旅行記③「日本VSギリシャ」編(2022.11.16)
ブラジル旅行記④「イタリアVSコスタリカ編」(2022.11.17)
試合前にはサポーターの方々が盛り上がっていて、
旗をなびかせたり応援の練習をしていた。
(ちょっと怖かったのは内緒だ笑)
ただそれは一部のガチ勢の席だけで、
ファミリーシート的な場所では家族連れでくつろいでいる方もいたし、
おばあちゃんが数人でユニフォームを着て和んでいるという、
微笑ましい様子も見れた。
Eスポーツのプロの人がウイイレで希望者と対戦するという、
イベントもやっていて20年前のウイイレガチ勢だった僕なら、
勝負になったかもしれないが今だと無理なので対戦を眺めていたりした。
もちろん報道席やVIP席もあって、
目的に応じて様々な観戦の仕方が可能なスタジアムであった。
日が暮れるとともに試合の準備が進み、
DJが盛り上げてくれたり、
メンバー紹介をしてくれる。
ちなみにこの日の試合のスタメンの22人のうち、
6名が前日行われたサッカー日本代表のE-1選手権に、
選ばれている。(これはかなり多い人数だ)
奇しくも代表の(プチ)紅白戦のような状態になり、
試合のレベルも高くとても面白かった。
これはゴールが決まる10秒前の写真である。
ゴールシーンも見れて試合自体にもとても満足であった。
ハーフタイムにはこのようにライトアップされ、
音楽が大音量で流れ、
花火まで打ちあがる!!
とても盛大だ。
最高の雰囲気で後半を迎えることが出来る。
これはサッカーがあまり興味がない
という方が観たとしても、
「また行っても良いかな?」
くらいまでは楽しめるイベントだと思う。
新幹線の時間の関係と、
帰りに人混みに紛れるのが苦手なので、
終了10分前には会場を後にする。
ありがとう。
「EDION PEACE WING」
最高のスタジアムだった。
遠くから見ても美しい。
こんなに遠く離れていても、
声援が聞こえていた。ガチ勢すごい。
スタジアムを作る時に「騒音問題」は考えなければいけない。
スポーツを応援する人にとっては声援でも、
今赤ちゃんを寝かしつけたお母さんにとっては騒音だ。
ちなみにこのスタジアムの周りは住宅地ではないので、
そこらへんも配慮されているのだと思う。
かと言って、広島駅から離れているわけではなく、
(歩いて20~30分くらいだろうか)
路面電車の降車駅から歩いて10分くらいなので、
交通便も良くそこも含めて最高だった。
さて冒頭の写真である。
今日載せた写真の中でダントツで平凡な写真だ。
しかしランニング途中でこの光景を見て、
僕はまぁまぁ感動したのだ。
なぜかわかるだろうか・・・?
このグラウンドは芝なのだ。
そして照明まであるのだ。
だから遅い時間でも少年達がサッカーを楽しんでいる。
スライディングをしても泥だらけにならずに済んでいる。
ちなみにこのグラウンドは〇十年前、
当時サッカー少年だった小学生だった僕が、
試合の度に使用していたグラウンドだ。
そのときには土のグラウンドで、
試合の度に泥だらけになり、
洗濯をする母をブチ切れさせた。
当時は(多分)照明もなかったように思う。
うす暗い中試合をした記憶があるのだが、
そこは定かではない。
しかし芝はなかった。
芝の上でサッカーがしたかった。
芝を植えたのは誰なのか・・・?
それは僕なのだ。
ごめんなさい、言い過ぎた。
僕達の支払った税金だ。
税金で雇った業者の方が、
頑張って芝を植えてくれて、
そして手入れをしてくれている。
税金が照明の電気代となり、
子供達を明るく照らしている。
(もちろん大人もいたが大人はいい)
なんという素敵な光景だ。
これ以上の税金の使い方があるだろうか。
僕の支払った少しばかりの税金が、
巡りに巡って秋田に住む子供達の楽しみに変わっているのだ。
これは上がる。
マジでテンションが上がる。
働こうという気持ちになる。
節税もちょっと控えようかな?
という気にもなる。
とても良い良い方をすると、
「誇り」に思う。
俺、さいこー
さて「スタジアム問題」である。
「EDION PEACE WING」
という最高のスタジアムを見て、
「秋田にも欲しいか?」
と聞かれると微妙なところだ。
秋田と広島という街の規模の違い
税収や人口の違い
歴史的背景の違い
街の持つサッカーのクラブチームの違い
これらを踏まえて、
同規模のスタジアムが秋田では出来ない
ということはとても納得出来るし理に叶っている。
しかし「新スタジアムが必要ない」
という意見は1mmも理解が出来ない。
スポーツの大きな試合がある。
現地の人は楽しい。
それは良い。はっぴー。
しかしもっと大事なことがある。
遠くからその土地に来たことが無い人が、
スポーツ観戦のために現地に訪れるのだ。
名古屋の人が広島に行くように。
日本の僕がブラジルに行くように。
名古屋グランパスのユニフォームを着た親子連れが、
原爆ドーム前で戦争の悲惨さを話していた。
サッカーの試合があったから、
歴史を知ることが出来たかもしれない。
10年以上前のブラジルの話題を、
擦り続ける僕の話を聞いて、
海外に興味を持ってくれる人がいるかもしれない。
僕が広島に住んでいたら、
「新しいスタジアムが最高でさぁ~」
と会う人、会う人に言うだろう。
そのうちの何人かは広島に来てくれるだろう。
きっとそのことを誇りに思うし、
スタジアムに税金がいくら投入されようと、
「その分頑張ろ」と思って働くだろう。
しかし僕は秋田に住んでいて、
この「誇り」を持つことが出来ない。
秋田市が財政破綻間近で、
「新スタジアム作ったら市が消滅します」
というなら作らない選択肢もあるかもしれない。
(そんな市町村を存続させる必要があるか?という疑問もあるが)
しかし「新スタジアムを作らない」理由が、
「物価高の経済対策」や「市民生活を考えて」
というのはどういう論法なのか、
誰か分かる人がいたら教えてほしい。
この主張をされたときに
「市民のことを考えてくれて素敵!」
となるのだろうか?
いやいや、大人のことは良いから、
未来ある子ども達が誇りに思える、
施設や環境を作ってくれ!
とならないのだろうか?
ならないからスタジアム「問題」になっているのだろう。
そしてこの主張をする方は、
本当に「市民」のことを考えているのだろうか?
「市民が投票してくれそうな主張は何か」
と思っていないだろうか。
もちろん自らが勝つために戦略的に、
主張を述べるのはとても大切なことなので、
そのことを否定しているわけではない。
働いている現役世代の一人として思うのは、
税金を上の世代に使うくらいなら、
下の世代に使って欲しいということだ。
だって未来ありますし。
そのためなら血を吐く程度までは頑張れる。
でも自分のためだけだったら頑張れないし、
ましてや見知らぬ上の世代のためとなると、
節税頑張っちゃおうかなぁ~としか思えない。
秋田市に「1万人収容規模の新スタジアムを作る」
これが出来たら今の問題が全て解決して、
みんなはっぴー!!とは思っていない。
そんな奴がいたら、それこそはっぴーだ。
しかし人の流れは絶対に出来る。
そこで秋田の良さがあれば、
また秋田に来てもらえる。
お金が儲かる。
自治体も潤う。
何よりも秋田の数少ない子供が、
そのスタジアムを誇りに思って、
大学や就職で県外に行ったときに、
「秋田にはこんなスタジアムがあって~」
と言ってくれるかもしれない。
(ちなみにミルハスは誇れる施設だと思う)
そこまでしなくても、
そのスタジアムで運動会なんかしちゃったりして、
思い出に残るかもしれない。
そのことに価値を感じて、
血を流せる人がどれだけいるか、
それが試されているのが、
「スタジアム問題」の本質だと思う。
そんな人がいない自治体に、
僕は存在価値を感じない。
以上、「スタジアム問題」でした!
秋田市民全員から一人¥10,000徴収すれば、
30憶円なのでそれでスタジアム作ろう!!(笑)
(小学生が考えそうな計算)